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命の価値 (前)

団地の高層階によく足を運んでました。
死にたかった。

うつ病でした。
今までできていた多くの事ができなくなってました。
「私は生きてる価値もない」
「何もできない私はゴミクズと同じ」

心が破綻してました。
何もできない自分を責めても責め足りない。
死ぬか生きるかの究極の選択しかなく、
視野の狭くなっていた当時は
答えが出るはずもありませんでした。

ただ長く感じる1日が過ぎるのを待ってました。
回復しては、また沈む。
それでも、治療を受けたおかげで、
今では普通の生活が送れています。

生きること、命について、向き合う時間は多かったです。
その時間は、今後の長い人生を歩むためには必要な時間だったと思っています。

書以外で何かを積極的に学ぶことなく過ごしてきました。
そんな私が出した結論ですが
「私の命は私だけのものではない」ということでした。

現代の日本のような人権というものがない時代、
権力者により多くの命が簡単に失われました。
領土さえ広げれば豊かになるという考えのもと、
いくつもの悲惨な戦争を繰り返し多くの命が犠牲になりました。
伝染病が流行る時代にワクチンなど無かった為、多くの命が失いました。
今のような医療が受けれない時代に
苦しみながら、人は病にかかり死んだのです。

そんな過酷な時代の中、奇跡に奇跡を重ねて、
私達の先祖の方々は生き抜いてきました。
そこには多くの歴史が詰まってます。
祖父母が産まれ、父母が産まれました。

そして、私が産まれました。
今のこの時代だけを生きてる私だけで、
さまざまな時代を生き抜いた先祖から受け継がれてきた、
この命の価値を判断できる訳がないと思うのです。

多くの歴史が詰まった命は
私だけのものではなく
かけがえのない、尊いものです。

この文章でどうしても伝えたかったこと。
今、うつ病であったり、
何かしら病気であったり、
事故に遭ったりしてしまったり。
「自分なんて、価値のない存在だ」と
思ってる人に伝えたかった。

あなたの命は、
あなただけのものではなく、
多くの歴史が詰まっています。
奇跡に奇跡が重なって産まれた
とても尊い存在です。

私は、これからも
命を受け継いでくれた、
ご先祖の方々に感謝して
歩んでいきたいと思ってます。

桔梗

2019年度 初個展作品【御先祖様】